そったく日記

三重県消防学校

・・・思いを馳せる・・・

第27期警防科教育が終了した。改めて今期の24名に対し修了式で贈った言葉を記すことをご勘弁願いたい。
人間国宝だった落語家 桂米朝さんの対談話の1説。以下・・・・・


《落語は長い話になると1つの演目が1時間以上に及ぶ。
最初から最後まで話を聞いていなければその「おもしろさ」が分からない。
最初から最後まで話を聞いてこそ、その「おち」が際立つ。

今の時代はテレビのスイッチをつけて、おもしろい番組でなければ、チャンネルを変えられてしまう。今の時代は直ぐにおもしろくなければならない時代だ。

人を楽しませるために落語の芸を磨き、極めるには相当な時間と努力が必要だ。だからこそ芸の素晴らしさや値打ちが出るのだが、最近は芸というものの価値が伝わりにくくなってきている。インターネットでは知りたい情報が瞬時に分かる大変便利な時代ではあるけれど、1つの物事を探求し、事の成り行きを見て、全体を理解することがなくなってきている。
例え、直ぐに結果が出なくとも「思い馳せる」ということが大切ではなかろうか》


我々消防の世界も・・・・・資器材や知識、そして特に「技」も新しくなってきている。インターネットでは現場映像も多く、また、教材も映像が多くなってきている。現場経験のない職員でも経験せずとも映像で理解できる時代だ。しかし、それを鵜呑みにせず、分からなければ自分で「経験」「実験」「実践」「真似る」など探求をして、手間や労力をかけずに広い集めたものではなく、思いを馳せて自分にとって価値のあるものを蓄えて欲しい。
警防科第27期のメンバーへ・・・どうか、焦らず、じっくりと腰を据えて、これからの活躍を願っている。


修了式エンディングBGM
旅のはじめに(ウォン・ウィン・ツァン
パパの子守唄(クレイジー・ケン・バンド)

教官:平蔵