初任科での実科訓練が先週から本格的に開始された。
初任科の前半では、救助・機器取扱訓練、消防活動訓練がメインとなり、またこれらは、各種消防活動における基本・基礎的なものであることから、徹底的に身に着ける必要がある。
訓練に臨むにあたり、まずは整理整頓から。
これができなくては何もできない。できるはずがない。
一見、整頓されているように見えるが、まだまだ甘い。
細かい部分に気付けるようになってもらいたい。
ロープ結索。得意な者もいれば、当然不得意な者もいる。
1、2度見ただけでできる者もいれば、相当苦戦する者もいるわけであるが、これは特に、「やったらやっただけ、結果はついてくる」技術である。
得意な者は助け、不得意な者は必死に努力してほしい。
消防の技術は、それができなくて自分自身が恥をかいたり、自分自身が困るだけなら別にいい。
困るのは誰なのか? それは要救助者である。
何のために消防の世界に入ったのか、自分の存在意義は何なのか、よく考え、取り組むことが義務である。
日常の中で時間を見つけて取り組めば、その分の結果は必ず出る。
消防活動(火災防御活動)における最も基本的な技術として、「ホース延長」がある。当面の間はこれを徹底的に実施していく。
簡単、単純そうに見えて奥が深い技術の一つであると思う。
安全・確実・迅速に、真っすぐ・折れなく・捻じれなく、延長するにはどのようにすればよいのか?
何も考えなければ何回やっても上達しない。全ての訓練に同じことが言えるが、限られた時間、回数の中で、1回1回の訓練を考察し、経験としてもらいたい。
では限られた時間の中で、1回でも多く訓練するにはどうすればよいのか?
訓練時間は、自分達で作り出すものである。
防火衣を着てのランニングは「暑熱順化」を目的として実施している。
当然のことながら、非常に暑く苦しい。実際、途中でリタイアする者が散見されるが
現場でリタイアは許されない。
今は涼しい季節であるが、今後、消防活動には過酷な季節がやってくる。
6月初旬頃までが暑熱順化の勝負であるから、熱、暑さに耐えうる体力作りにも目を向けてもらいたい。
自己満足の見た目だけの使えない筋肉はただの重りでしかない。
消防士は、体を「鍛える」のではなく、体を「災害に備える」。
自分自身、仲間、要救助者を助ける体力がまだまだ足りず、遠く及ばないと教官達は感じている。
自分が成すべきことは何なのか?
口酸っぱく言っているが、119番通報をして助けを待っている方は、来る消防士を選ぶことはできない。
明日から初任科も連休に入るが、この1か月間、自分自身がどう取り組んできたのか
どう取り組むべきなのか今一度、振り返ってもらいたい。
連休明けに少しでも変わって学校へ帰ってきてくれることを期待する。
担当KR