そったく日記

三重県消防学校

初任科の学生38kmの歩行耐久訓練に挑む(初任科第51期耐久訓練−古米校長奮闘記)


鈴鹿市石薬師町にある三重県消防学校では、5月の連休も明け、若葉青く初夏を感じさせるこの頃ですが、平成26年5月8日には、初任科の学生は、耐久訓練(遠距離歩行訓練)を実施しました。この訓練は、消防職員として必要な体力、気力及び忍耐力の醸成、並びに班(小隊)行動の秩序、チームワークの醸成を図り、小隊活動における自己の責任の重要性を理解させるために実施するもので、例年9月に実施していましたが、熱中症の心配もあり、今年から5月に実施することとしました。

総歩行距離は、38kmで、ただ、歩くだけでなく、背中に飲料水や活動服、編み上げ靴、ヘルメット等10kg前後のリュックを背負って歩きます。さらに、班ごとでAEDやロープ等の資器材を一人ひとり交替で担ぎます。行きは、消防学校を出発して18kmの登り道で、四日市市水沢市民広場(星の広場)に至る、標高差約200m(県企業庁水沢浄水場付近で約230m、消防学校が約40m)の行程です。帰りは、椿大社を経由しての20kmの下り道のコースです。星の広場では、約30分の結索訓練も行いました。

この日は、テレビや新聞報道の取材もあり、学生もインタビューに答えていました。本人だけでなく、初任科の学生、皆の励みにもなったのでしょう。初任科の学生は、本格的な訓練を始めてから1か月しか経っておらず、途中でリタイアする者が続出するかと危ぶまれましたが、参加者全員が38kmの歩行訓練を達成しました。皆が力を合わせ、励まし合い、助けあい、頑張った結果で、喜ばしい限りです。皆、本当によく頑張りましたね。

校長訓示でも申しましたが、耐久訓練をやり遂げることは、大きなステップになったことと思います。班ごとに1人ひとり交替で資器材を担ぐことや班で遅い者に合わせてまとまった行動をすること、体力のない者を元気な者で補ったり、励まし合ったりすることで班行動における規律やチームワークの重要性を実感したことと思います。

しかし、耐久訓練達成は、あくまで1つのステップです。今後、消防の使命のために、より大きな目標に向かって、さらなるステップアップを図っていく必要があります。

5月9日には、消防活動訓練を行いました。教官展示でホースの金具が完全結合されていないとどれだけ危険か、金具の連結における完全結合の重要性や安全確認呼称の重要性を認識したことと思います。

初任科の学生は、消防のプロフェッショナルとしての自覚をもって、真剣に勉学に励むとともに、一つひとつ技術や安全管理をきちんと身につけ、体力の向上を忍耐強く続ける必要があります。厳しい訓練に耐え、一人前の消防士となるために、さらなる精進を期待します。(HM)