8月7日、台風の近づく猛暑の中、三重県消防学校では、初任科第51期教育のカリキュラムの一環として、津市雲出鋼管町にある県防災航空隊を訪れ、校外研修を実施しました。初任科の学生95名が参加し、県防災ヘリコプターの諸元・性能や機体装備品、搭載する救助資器材や救急資器材の説明を受けたのち、訓練に参加しました。
搭載する救助資器材や救急資器材の説明では、ワイヤー担架やバーチカル担架、レスキュースリング(股を通すので安全とのこと)、サバイバースリング、エバックハーネス、エンジェルハーネス(子供用救助器具)、酸素発生装置、AEDなど防災ヘリに常時搭載している資器材の説明や火災消火時に使用する消火バケットなどの説明がありました。
県防災ヘリコプターの諸元・性能や機体装備品の説明では、通常10名乗員で運航しており、操縦士と整備士、隊員4名で活動しているとのこと。県のベル社製ヘリコプターは、ドラム缶6本分(1,200ℓ)の燃料を搭載し、通常時速200kmで飛び、燃費は1時間2本使うので、3時間活動可能とのこと。また、隊員や資器材の昇降に使うホイスト装置や機外スピーカー、無線付きヘルメットについての説明がありました。
このあと、初任科の学生は、機内搭乗や機体誘導、要救助者(サバイバースリングやエバックハーネス、ワイヤー担架を使って救助される役)など与えられた役割によって訓練に参加することができ、防災航空隊の活動を直接体験することができました。並行して、地上に残った全員が5回に分けて、ダウンウォッシュ体験を行いました。これは、ヘリの真下に初任科の学生が入ることにより、ヘリの風力や風圧の強さを実感でき、防災ヘリとの連携が求められる状況下で救助活動を行う消防職員としては、貴重な経験となりました。また、防災航空隊による降下訓練やサバイバースリングやエバックスリング、ワイヤー担架など救助器具を使った救助訓練を身近で体験することもできました。初任科の学生は、暑い日ざしの中、憧れの眼差しで、訓練の様子を真剣に見ていました。
このように、施設の案内や資器材の見学、数々の訓練をご披露頂いた防災航空隊の隊長はじめ隊員の皆様に、学生ともども、感謝の意を表したいと存じます。
初任科の学生は、この経験を生かして、防災航空隊との連携がスムースにできるよう、一生懸命に日々の課題に取り組み、さらに心技体知を磨き、一日も早く一人前の消防士になるべく精進してください。(HM)