そったく日記

三重県消防学校

初任科の学生、消防筋肉を鍛える(初任科第51期体育理論−古米校長奮闘記)


鈴鹿市石薬師町にある三重県消防学校では、4月も中旬になり、初夏を思わせるようなこの頃ですが、平成26年4月15日、16日には、初任科の学生は、鎌田修広講師の指導のもと、体育理論を学びました。鎌田講師には、お忙しい中、2日間本当にありがとうございました。今後とも、お世話をおかけしますが、よろしくお願いします。

15日は、体育理論の座学と屋内訓練場でストレッチングベンチを使った前屈による柔軟性向上や腕立て伏せによる上腕筋等の強化を、2人1組でバディによる(相棒が補助者になって)負荷をかけることによって、より大きな効果を上げることを学びました。

16日は、頭と筋肉を両方鍛えるメニューが組まれました。「後ろ、左、前、前」と掛け声がかかり、数人で手をつなぎながら、指示とは反対に「前へ右へ後ろへ後ろへ」1歩づつ跳ぶ動作を行いました。わかっていても、つい掛け声どおりに動いてしまう学生もいて列が乱れてしまいます。

懸垂では、その重要性を学ぶとともに、斜め懸垂やストッキングなどの補助具を使ったり、リラックスした状態で飛びついた勢いや蹴上がりの要領でやったりすることで、「小さな目標(g)を立て、少しずつできるイメージを積み上げて、ステップを踏むことで、筋力アップやコツを覚え、できる準備が整っていって、突然、懸垂ができるようになる。そうやって結果(G)を出すことができる。」などトレーニング方法を学習しました。

次は、2人1組で左右、前後に走りながら、ペンを受け渡しするトレーニングでは、「消防士は、ただ走るだけではだめだ。管そうやホースを担ぎながら、足場が悪いこともあるので地面も気をつけ、周りの環境や住民の安全に注意しながら走る必要がある。同時にいくつも、こなしつつ、気を配りながら、活動を安全かつ迅速に行わなければならない。」

また、1人が負ぶって支える中、負ぶわれた方は相手の体を1周するトレーニングでは、途中で落ちる者が続出するなどまだまだ筋力や基礎体力の不足を実感していました。
「バディと一緒にやることで負荷が加わり、効果が1.5倍になる。相手がいることで苦しくても続けることもできる。同じ人と組むことでその成果もお互いによくわかる。」
サーキットトレーニングでは、脱力(大の字で仰臥)、ダッシュ(その場で)、斜め腹筋(対角で)、背筋、すり上がり(腕立て)を全力で2回実施し、汗一杯になりました。

足が滑ったりした時に支える側部の中臀筋を鍛えることで、最後の踏ん張りを利かすためのトレーニングとして、横臥位で片足を上げ下げします。「効いている感じがあるでしょ。普段使わない筋肉を鍛えるには、ピンポイントでそれに応じた運動が必要。」
最後は、全員で手をつないで10秒スクワットです。「手を抜くな。楽するな。胸を張れ。腰を落とせ。膝を伸ばすな。」とポイントごとに檄が飛びます。皆、何とか頑張って7分間耐え抜きました。学生は、達成感を感じて、皆、喜んでいました。

初任科の学生は、来る消防活動訓練に備え、体力の向上を忍耐強く続ける必要があります。消防のプロフェッショナルとしての自覚をもって、真剣に勉学に打ち込むとともに、厳しい訓練に耐えるために、消防筋肉の発達をいち早く図られるよう、さらなる精進を期待します。「きつい・つかれた・もうだめだでは、他人の生命は救えない。」「消防職員は、最後まで諦めない、負けず嫌いである、最後の砦である。」という先生の教えを思い出して。(HM)