そったく日記

三重県消防学校

初任科1階進入放水訓練と3連梯子登梯訓練(初任科第51期教育消防活動・機器取扱訓練−古米校長奮闘記)


鈴鹿市石薬師町にある三重県消防学校では、6月に入り、梅雨入りし、雨が降り、ぐずついた天候ですが、6月4日、5日、6日には、初任科の学生は、クレーン玉掛け講習(校外)と消防活動訓練、救助・機器取扱訓練の3班に分かれて訓練を実施しています。

4日の消防活動訓練は、建物火災消火訓練施設(AFT)を使って、初任科として今年初めて、1階進入放水訓練を実施しました。建物火災消火訓練施設(AFT)は、模擬火災や濃煙を発生させる装置が設置された施設です。実際の火災のような火炎や熱、煙を体験することができます。

3人1組で指揮者、1番員(管そう担当)、2番員(管先補助)の役割をこなしていきました。AFT棟北面では、指揮者の命令のもと、1番員と2番員が空気呼吸器を担ぎ、面体を着装し、フル装備で放水しつつ、建物1階へ進入し、火点に近づき、鎮火をめざします。家屋火災では、天井に近いほど高温になるため、進入時には、低い姿勢を保つ必要があります。膝をつけると瓦礫等で危険なため、低い姿勢で屈んだまま、噴霧放水しながら、ホースを持って進入し、消火します。初任科の学生は、低い姿勢が取れるよう、ずっと保てるよう足腰を錬成する必要があります。

救助・機器取扱訓練では、初任科として今年初めて、3連梯子登梯訓練を実施しました。3連梯子は、2階進入などでよく使う救助機器の一つです。指揮者、1番員、2番員の3人1組で3連梯子を担ぎ、指揮者の指示する目標の場所に立て掛け、2番員が梯子の底部を足で固定し、取っ手を握ることで安全を確保して、1番員が登梯します。梯子上部で作業姿勢をとり、自己確保ロープを結着したのち、両手片足の3点支持で右側(左側)から2階へ進入します。消防職員にとって安全・確実・迅速は基本です。まず安全確保が第1です。留め金の確認やロープの結着は確実にこなしたうえで、迅速さが求められます。

基本は、大切です。「当たり前のことを、当たり前のように、当たり前にやること」ができるよう、体力錬成や知識・技術の反復学習に励んでください。

初任科の学生は、地域住民の生命財産を守る崇高な使命を持つ消防人としての自覚をもって、今以上に心技体知を鍛えるため、訓練や学習を忍耐強く続ける必要があります。体力向上や筋力アップのための自主鍛錬も必要です。機器取扱を自分のものとするため、反復練習も必要です。厳しい訓練に耐え、1人前の消防士に成長するために、さらなる精進を期待します。けがなどで見取りをしている者は、きちんとやり方や手順を確認し、覚えるとともに、時間は十分にありますから、今は、焦る気持ちを抑えて、けがなどを直すことを優先してください。(HM)
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