そったく日記

三重県消防学校

水難救助指導者

初任科の消防活動訓練や救助・機器取扱訓練については、102名の学生を9名の教官で安全管理を図りながら、指導をしています。平均すれば1教官あたり11名となり、安全管理上、厳しい状況ではあるものの、学生相互でも安全監視をするなどして対応をしています。
一方、水難救助課程は、呼吸も困難、自らの体勢を維持することも困難という厳しい状況での訓練となり、安全の確保は非常に重要であり、学生2人に1人の指導者をつけて訓練を実施しています。(黄色の指導者スイムキャップは目立ちます)

そのため、20人の学生に対し、総括責任者1名を含む11名の方を指導者として9消防本部から派遣頂き、学生と共に寮生活をして、指導にあたって頂いています。(指導者は3年を目途にしており、次期候補者1名も別途参加頂いています)

指導者の尽力により、非常にレベルの高い水難救助課程を実施することができており、県外消防本部の評価も高く入校希望が多数あり、定員に空きがある場合には、入校頂いています。(今回は4人)

皆さんは、各本部を代表する水難救助隊員であり、高い身体能力をベースに、定期訓練等年間を通した厳しい訓練を経て、毎年秋に実施する消防学校の指導者認定試験に合格された、心技体すべての面で優れた指導者であり、水中であることを忘れさせる機敏な動作からは、卓越した技能、指導の安心感・安定感、優秀な後継者を育てたいという熱意といったものを強く感じます。




この分野には、特殊な技能が必要であり、「やる気があれば、できるようになる」世界ではないと思います。
「できるから、やる気が起こる」ものであり、成功体験を積み重ねるような(喜びを感じ継続につながるような)指導をして欲しいと思います。
そして、学生のやる気の高まりに比例して、訓練の難易度を高め、自信をつけさせると共に、座学においては、多くの情報を提供頂くことで、活動がイメージできるようになれば、モチベーションアップにもつながると思います。(教官の指導にも同じことがいえると思います)
2週間と短い期間ですが、未体験の出来事に臨むには、疑似体験が効果的であり、指導者の皆さんには、講義、想定訓練、事例研究等、あらゆる場面を活用して、知識、経験を伝授頂きたいと思います。そして、指導者自身も他の指導者との交流、講義、訓練等を通じて、さらなるレベルアップの機会にして頂きたいと思います。
本日は、午前中、潜水理論、呼吸管理の講義、午後からは、天候も回復し、強い日差しの中、昨日に引き続き、基本訓練を行いました。


学生の皆さんは、慣れるまでは大変と思いますが、しっかりと基本をマスターして、本格的な訓練に臨み、無事、課程を終了して下さい。
そして、いつかは指導者として、今回学んだことを、後輩たちに還元してもらえると嬉しいです。(K.A)

三重県消防学校ホームページへ