そったく日記

三重県消防学校

初任科卒業所感文から

昨日から、指揮課程の25名が入校し、気管挿管講習と合わせ、39名が学校生活を送っています。
皆さんは、初任科を卒業してから多くの経験を積まれていますが、初任科当時の目標や夢を思い出し、課程に取組んで欲しいと思います。
そこで、先週、卒業した53期初任科の卒業所感文から彼らの意気込みを少し紹介したいと思います。
「現場に戻って、しっかりと経験を積み、知識も増やして信頼される消防士をめざし、後退することなく、少しずつ成長し続けていきたい。」
「市民の皆様に親しみを持ってもらえ、安心を感じてもらえる消防士になるという志をもって消防士になったので、この志を忘れることなく、精進していきたい。」
「消防士としての誇りを持って、消防人生を歩んでいきたい」
「支えてくれた人たちへの感謝の気持ちを持ち続けていきたい」
「愛される消防士」「人を愛せる消防士」「気遣いができる消防士」「屈強な消防士」
「向上心を忘れず、謙虚に取組む」
「一人でも多くの命を救いたい」
このように、これからも感謝の気持ちを忘れず、努力を続け、一人前の消防士として住民から信頼される消防士をめざすといった目標をほとんど全員が掲げています。












「初心忘るべからず」とよく言いますが、世阿弥が能について戒めた言葉だそうで、次に、「時々の初心忘るべからず、老後の初心忘るべからず」と続いており、初志とは少し意味が違うようです。初心とは、「芸の未熟さ」、「初心者の頃のみっともなさ」であり、このことを思い出すことにより、謙虚で緊張した気持ちを持って、さらに精進できるのだ、と彼は説いているとも言われています。
そして、若いころの未熟な芸を忘れなければ、そこから向上した今の芸も正しく認識できるとしています。
このことを消防学校に置き換えれば、向上するためには、試練の時に、どうやって乗り越えたのか、という経験を忘れず、学び続けることが大事であり、初任科での失敗や苦労し乗り越えたことを常に忘れず、改めて現任課程で未熟さを知り、謙虚に学ぶことで、一流の消防士になっていくということではないかと思います。
消防学校に入校された皆さんには、初心を忘れず、更なる向上に励んでいただきたいと思います。(K.A)
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