そったく日記

三重県消防学校

初任科の訓練本格化(初任科第51期教育消防活動・救助機器取扱訓練−古米校長奮闘記)

鈴鹿市石薬師町にある三重県消防学校では、6月中旬に入り、ぐずついた天候のこの頃ですが、平成26年6月17日、18日には、初任科の学生は、消防活動訓練と救助・機器取扱訓練の大きく2班に分かれて訓練を実施しました。

消防活動訓練は、建物火災消火訓練施設(AFT)を使っての1階進入放水訓練と防火衣着装・ホース延長訓練を実施しました。建物火災消火訓練施設(AFT)は、模擬火災や濃煙を発生させる装置が設置された施設で実際の火災のような火炎や熱、煙を体験することができます。

3人1組で指揮者、1番員(管そう担当)、2番員(管先補助)の役割をこなします。AFT棟では、指揮者の命令のもと、1番員と2番員が空気呼吸器を担ぎ、面体を着装し、フル装備で放水しつつ、建物1階へ進入し、火点に近づき、鎮火をめざします。木造家屋火災の設定ですので、入口付近の上部にストレート注水し、落下物を事前に落としたうえで。落下等の危険のないことを確認して進入します。高温を避けるため進入時には、低い姿勢を保つ必要があります。低い姿勢で屈んだまま、噴霧放水しながら、ホースを持って進入し、消火します。低い姿勢が保てるよう鍛錬が必要です。

防火衣着装・ホース延長訓練では、実戦同様、合図と同時に素早く防火衣を着装のうえ、空気呼吸器を装着し、消防車の前に集合します。隊員の集合次第、隊長、1番員、2番員、機関員(コックの開閉等担当)の4人1組で行動します。1番員と2番員は、ホースを延長した後、面体も着装し、建物進入(想定)準備をします。ホースに充水し、放水の手前まで一連の流れで実施します。今までの訓練で積み上げてきたものです。安全、確実、迅速に行えるよう、反復訓練が必要です。

救助・機器取扱訓練では、検索訓練を実施しました。検索訓練は、指揮者、1番員、2番員、3番員の4人1組で実施します。指揮者の命令のもと、1番員と2番員が命綱を頼りに並行して屋内進入をします。1番員は、手足を使って要救助者を検索します。2番員は、左手で確認しつつ、壁伝いに検索しながら、屋内進入します。3番員は、2番員に繋がるロープを送りながら進入の距離を伝えたり、ロープによる情報伝達を指揮者に伝えたりします。2番員は、要救助者発見の合図をロープを3回引いて3番員に伝達します。3番員は、確認したことを同じ回数ロープを引くことで2番員に伝えます。18日の訓練では、濃煙時を想定して、目が見えないように面体を覆って検索訓練を実施しました。右足の10cm先に要救助者がいても発見できずに通り過ごしたり、壁が行き止まったりしてまごついたりしていました。実際の現場は、もっと複雑です。検索を基本どおりに確実に実施する必要があります。

「当たり前のことを、当たり前のように、当たり前にやること」が確実にできること。
初任科の学生は、地域住民の生命財産を守る崇高な使命を持つ消防人としての自覚をもって、今以上に訓練や学習を忍耐強く続ける必要があります。使命達成のために、甘えは許されません。体力向上や筋力アップのための自主鍛錬が必要です。1人前の消防士に成長するために、さらなる精進を期待します。(HM)