そったく日記

三重県消防学校

調査現場での「眼」

 火災調査の現場とは、火災が鎮火して、すべてが煤け、炭化しています。簡単に言えば「真っ黒け」です。
 火災調査科4日目は、車両火災原因調査について、名古屋市消防局から佐藤講師を招き、県内消防職員の特別聴講を含め、約60名が講義を受けました。
 車両のような金属をどのように調査するの…と、思われる方もいるかもしれませんが、車両は「燃えるモノ、燃えにくいモノ、燃えないモノ」で構成され、放火を除き「燃料オイル系、排気系、電気系」が出火原因の主な要因になります。そうした現場を見立てる「眼」を養い、「真っ黒け」ではなく、黒さの中の「焼けの強弱」から「焼けの方向性」を見出します。


 現場見分実習については、今回の火災調査科初めての試みで、小さなワンルームを作り、すでに燃えた状態で学生に渡し、出火箇所の判定をグループ討議、発表させました。まさに小さな出火建物を現場見分しました。少し自信のついた学生や調査の面白さを感じた学生もいました。この調査現場の「眼」を来週の模擬家屋燃焼実験や現場活動に生かしてほしいです。また、所属に戻って、他の職員と一緒にやり、調査技術の向上を図ってくれたら、さらに嬉しいです。
 さぁ、明日は県警本部科学捜査研究所の講師を迎えて、1日鑑識の授業です。頑張っていきましょう。(D.Y)
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