そったく日記

三重県消防学校

初任科55期卒業所感文

 くもり。今朝は鈴鹿の峰に、うっすらと雪が積もった。
 過日卒業した初任科生76名の卒業所感文を読んでいる。どの学生も、仲間に刺激を受け、教官に叱咤激励を受けながら成長した実感を素直に表現している。また、消防本部や家族の方々への感謝もしっかりと記している。また、55期は、先人の格言などを一階廊下などに貼りだして、気持ちを高めていたが、その表紙には、『屠龍技』と入れてある。
 広辞苑では、『屠龍の技』 「苦労して龍を殺す技を学んだが、龍が存在しなかったので、その技を用いることはなかったという故事から、学んでも実際には役立たない技術」とあるが、東日本大震災で活躍された、東京消防庁第6消防方面本部消防救助機動部隊ハイパーレスキュー)の壁には『屠龍技』と書かれた額縁が飾ってあり、そこには、「龍の出現の有無にかかわらず、屠龍の技を磨く。但し現れたなら一撃のもとにこれを葬る。我々の目指すところである。災害に備えて常に訓練を重ねる。何も無いことと、何もないようにしたこととは天地の差がある。これが、私たち消防、そして六本部機動隊の心得である。」と添え書きされているそうだ。私は、この言葉をあえて念頭におき、危機管理能力を磨いている機動部隊の気概を見習わねばと思う次第である。
 55期はどこでその言葉を見つけたのか知らないけれども、消防士としての金言的な言葉へのこだわりが、55期らしいと思った。
 さて、今日から5日間の予定で特別科指揮課程(第6期)が始まった。当課程は、現場指揮の重要性に鑑み、平成25年度から始まった。寒さに負けず、現場指揮の知識や技術をしっかり身に付けてほしいと願っている。(M.S)
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