そったく日記

三重県消防学校

初任科放水訓練と空気呼吸器着装訓練、水難救助課程訓練(初任科第51期教育・救助科水難救助課程第14期教育−古米校長奮闘記)


鈴鹿市石薬師町にある三重県消防学校では、5月も下旬になり、昼間は30度を超える真夏のようなこの頃ですが、平成26年5月29日、30日には、初任科の学生は、消防活動訓練と救助・機器取扱訓練の大きく2班に分かれて訓練を実施しました。
29日の消防活動訓練は、ホース3本延長と実放水、車両誘導要領、車両点検要領の3つのブースに分かれて訓練を実施しました。

ホース3本延長と実放水訓練では、3人1組で管そう担当、管先補助及び伝令、機関員の役割をこなしていきました。順番に放水と補助を担当し、放水したまま、左や右、前後に動くよう、教官から指示が飛びます。管そう担当と補助員の2人の息が合わないと火点への放水がずれたり、揺らいだりして、うまくいかないことや充水したホースの反動力の強さや重さを実感できたことでしょう。また、ホースに折れがあれば、規定の圧力を得られず、消火にとまどることもあるので、伝令でホースを並走し、充水時に見ながら直すよう教官から指摘がありました。放水における基本の姿勢は、体で覚える必要がありますが、きちんと取れば、美しい姿になります。これは、反動力に耐えるためのもので、その原理も理解しておく必要があります。頭と体を両方鍛える必要があります。

車両誘導要領と車両点検要領も学びました。消防職員にとって消防車両は、欠かせない存在です。その性能やパフォーマンスを理解し、頭に叩き込む必要があります。車両誘導は、大切です。大きな声と手振りが重要です。現場では、住民の安全確保が絶対です。そのうえで、最善の位置へ的確に消防車両を誘導する必要があります。

救助・機器取扱訓練では、初任科として今年初めて、空気呼吸器着装訓練を実施し、10kg以上ある空気呼吸器(空気ボンベと付属品)を背負い、面体を装着する訓練を実施しました。空気呼吸器は、火災現場で煙から自分を守る重要な機器です。面体や空気呼吸器に隙間や漏れがあれば、命の危険につながります。その着装の手順を守って、きちんと当たり前にできるよう、反復練習を忍耐強く続ける必要があります。
基本は、大切です。「当たり前のことを、当たり前のように、当たり前にやること」ができるよう励んでください。消防も同じく、専門の分野では、基本の積み重ねの上に熟練の技術があると言えます。

初任科の学生は、地域住民の生命財産を守る使命を持つ消防人としての自覚をもって、真剣に勉学に励むとともに、適切な機器及び器具の取り扱いを覚え、安全確認、確認呼称を怠らず、きちんと基本技術を反復練習し、さらに、技術を支えるための体力の向上を図る必要があります。厳しい訓練に耐え、1人前の消防士に成長するために、さらなる精進を期待します。

5月19日に始まった救助科水難救助科課程が今日終了しました。16人全員が10日間の厳しい訓練に耐え、水難救助技術や知識の向上に励まれました。水中では、2人1組で行動します。バディとの息の合った連係動作が欠かせません。今後、さらに研鑽研磨され、三重県における水難救助のレベルアップにつなげて頂けるものと期待しております。
(HM)